3号被保険者は確定拠出年金より積立NISA?
確定拠出年金は2017年から20歳以上の皆さんが加入できるようになっています。以前までは公務員・3号被保険者の方は加入出来なかったのですが老後の資産形成を促す観点から法改正されています。個人型確定拠出年金の愛称も「iDeCo(イデコ)」とネーイングし、普及を促しています。
節税メリットがとても高い確定拠出年金ですが、3号被保険者の方の場合は今後の働き方次第ではメリットがない場合もありますので加入の際はしっかりと確認をしておきましょう。また「積立NISA」なども比較検討して頂くと良いでしょう。
そもそも所得控除がない
確定拠出年金の節税のメリットは次の3つがあります
- 掛け金が全額所得控除
- 運用益が非課税
- 受け取り時は公的年金控除
上記3つのメリットのうち節税効果が高いのは1の「掛け金全額所得控除」です。ただ3号被保険者の方の場合、そもそも所得税や住民税を払っていませんので「所得控除する収入がない」ため意味がありません。そうなるとメリットは残りの2つ目の節税ですが、運用益の非課税については「積立NISA」でも同じメリットを得られます。
3つ目の受け取り時、公的年金控除はそもそもメリットというよりは「拠出時に所得控除のメリットがなくても、受け取り時に課税対象になってしまうのか?」という疑問があります。
ですので3号被保険者の方の場合、確定拠出年金で積立るメリットは2番目の「運用益が非課税」という点くらいになってしまいます。
積立NISAも同じ効果
「積立NISA」は20年間毎年40万円まで非課税です。20年間という所がキーで、今現在40歳の方であれば40歳?60歳まで積立を非課税と出来るので老後資金を貯める期間としては十分です。
確定拠出年金 | 積立NISA | |
---|---|---|
非課税枠 | 年額27.6万円(月額:23,000円) | 年額40万円(月額:33,333円) |
非課税期間 | 制限なし | 20年間 |
手数料 | 資産残高により(目安:毎月167円) | 基本的にない |
ただ、20歳台の若い方の場合は積立NISAですと非課税期間が20歳台?40歳台となってしまいますので、確定拠出年金にメリットがあります。
確定拠出年金の最大のデメリットは「手数料」が少なからず掛かる事です。最近は競争もあり安くなってきましたが、それでも毎月100円?200円はかかってしまいます。毎月の手数料以上に所得控除のメリットで節税を得なければなりませんが、節税メリットがない場合は積立NISAで手数料の掛からない商品で積み立てた方が良いかも知れません。
今後扶養を抜けて働く人には確定拠出年金がメリット
今現在は扶養の範囲内であっても、パート就労でも社会保険に加入させる動きは加速しています。社会保険に加入(扶養から外れる)するなら労働時間を抑えて月8万円程度のパートを続けるのではなく、月10万円など、少し働く時間を増やした場合は「所得控除」のメリットが出てきます。所得税の観点だけで考えると、月10.8万円までは今と変わらず所得税が掛かりません。
現在 | 確定拠出年金に最大加入 | |
---|---|---|
基礎控除 | 38万円 | 38万円 |
給与所得控除 | 65万円 | 65万円 |
401Kの所得控除 | ー | 27.6万円 |
合計 | 103万円 | 130.6万円 |
もちろん、扶養から外れる訳ですので「社会保険料」の負担があり、手取りは落ちるかも知れませんが、社会保険料(厚生年金・健康保険・雇用保険)を納めている事で老後の年金は増えますので、老後にしっかり回収できます。
40歳台で今後も扶養の範囲ならば積立NISA?
確定拠出年金と積立NISAどちらが向いているかはそれぞれですが、少なからず40歳台で今後もあまりたくさん働かない予定の場合は積立NISAの方が良いかも知れません。
今後扶養を外れて働く予定の場合は確定拠出年金の方がメリットがあるでしょう。いずれにしても少し悩む場合はまずは普通に貯金して、将来の方向性が決まってから決めて行きましょう。