老後資金2,000万円を自分に置き換えて考えよう
金融庁が報告している6月3日の「市場ワーキング・グループ」報告書。年金だけでは2,000万円不足という試算が出ていますが、どのような場合において2,000万円足りない計算になったかを見て、それに対して自分は何が違うのか?を理解出来れば自分が実際どの程度足りない恐れがあるかが見えてきます。要するに金融庁試算をベースに自分の試算を簡易に行えば良いと思います。
金融庁試算の要約
- 夫は平均月収約38.4万で勤続38年のサラリーマン、妻は専業主婦で老後年金を試算(月約21万)
- 65歳以降は働いていない前提で毎月の生活費は月約26万円
- このケースの場合、毎月約5万円赤字になり、老後を30年で考えると約2,000万円足りない
となれば上記と比較して平均月収がもっと高いのか低いのか、勤続年数がもっと長いのか短いのか、夫婦なのか単身なのか、老後の支出は26万で計算してよいのか?など変化する部分を見ていけばより自分の現実に近い予測ができると言えます。
※年金、支出等は文章を理解しやすいように簡素化しています。
標準モデルと比較した違い
夫婦世帯 ※支出は月額26万(年312万円)
内容 | 想定年金 | 不足想定 | |
---|---|---|---|
標準モデル | 夫:平均38.4万勤続38年、妻専業主婦 | 251万円 | 2,000万円 |
夫婦共に国民年金 | 自営業 | 158万円 | 4,790万円 |
夫婦共働き | 夫:平均38.4万勤続38年、妻:平均20万勤続38年 | 300万円 | 360万円 |
夫婦共に無年金 | 保険料を払っていない | 0万円 | 9,360万円 |
1つめのチェックポイントは厚生年金に加入しているかどうかです。会社勤めで社会保険に加入していれば毎月高額の厚生年金保険料(34,770円※給与38.4万)を給与天引きされます。自営業の方などは国民年金のみの場合が多く、現在の保険料は毎月16,410円です。支払う保険料が少ない分、老後資金は別途多く必要になるのは自然です。
自営業の方が活用すべき制度
- 国民年金基金
- 付加年金
- 確定拠出年金
国民年金基金は確定拠出年金と合計して月額68,000円まで加入できます。全額が所得控除になるため、税金を抑えながら老後資金を積み立てることができます。また付加年金は毎月400円を国民年金に上乗せして払いますが、将来2年以上年金を受け取れば有利な制度です。
単身世帯の考え方
単身世帯 ※支出は月額20万(年240万円)
内容 | 想定年金 | 不足想定 | |
---|---|---|---|
サラリーマン男性単身 | 平均38.4万勤続38年 | 173万円 | 2,010万円 |
サラリーマン女性単身 | 平均20万勤続38年 | 127万円 | 3,390万円 |
国民年金 | 自営業 | 78万円 | 4,860万円 |
無年金 | 保険料を払っていない | 0万円 | 7,200万円 |
単身世態の計算においては支出を月約20万に下げて試算をしています。年金が減る分(夫のないし妻の)収入は少なくなりますが、支出も下がることが一般的であるため基本的には同じような結果が想定されます。
不足額から逆算で計画
不足するであろう金額の目安が分かれば、将来の対策が行えます。
確定拠出年金、個人年金保険、積立NISA、積立投資信託、預金、色々な方法がありますがメリット・デメリットを理解してから始めていくと良いでしょう。